4月30日はいよいよ天皇陛下の退位の日である。上皇、上皇后となるおふたりは、仙洞御所に移るまで、改修工事済みの高輪皇族邸に仮住まいとなる。高松宮ご夫妻がお住まいになっていた宮邸だが、

「高輪皇族邸の周囲を囲むマンションの高層階から、おふたりが散歩している姿を住民がのぞいてしまう──。そんな事態は避けなければなりませんので、目隠しとなる木を植えるなど対策をしているところです」(宮内庁関係者)

 5月1日午前0時。徳仁新天皇と雅子新皇后が誕生する。おふたりは御所の改修が終わるまで、赤坂御用地から皇居に通う。運が良ければ新天皇ご夫妻の「通勤姿」に遭遇できる。

 秋には新天皇と新皇后を国内外にお披露目する即位の関連儀式が続く。10月22日の即位礼正殿の儀では、徳仁新天皇が黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)の束帯姿で即位を宣言する。この日は忙しい。即位礼正殿の儀を終えると、徳仁新天皇と雅子新皇后は、装束から洋装に着替える。新天皇は大勲位菊花章頸飾など勲章を胸に着けたモーニング、新皇后もロングドレスにティアラ姿の正装でパレードに臨む。平成では沿道に12万人が集まり、44台の車列が皇居の宮殿から元赤坂の旧赤坂御所までの約4.7キロを30分かけてパレードした。

「このとき英ロールスロイス社製オープンカーを4千万円で購入したが、使用したのは皇太子さまと雅子さまのご結婚時を合わせて2回だけ。整備部品の入手が困難で、政府は国産のオープンカーの購入を決めました」(前出の皇室記者)

 雅子さまの追っかけを続ける女性は「雅子さまの華やかなティアラとドレス姿が今から楽しみです」と興奮を隠せない様子だ。

 前回はパレード後の午後7時半から饗宴の儀が計7回開催され、故ダイアナ英皇太子妃など世界中からVIPが集まる豪華な祝宴だった。今回は4回に縮小するが、「雅子新皇后がタイトな行事を乗り切れるのか」(別の宮内庁関係者)との声も漏れ聞こえてくる。

 一連の儀式を終えた2020年新年は新天皇ご夫妻にとって初めての一般参賀となる。

「両陛下は二重権威となることを懸念し、退位後は活動に一線を引くお考えです」(前出の宮内庁関係者)

 寂しい気持ちもするが、両陛下ファンには朗報も。新年の一般参賀は上皇ご夫妻の出席を検討しているそうだ。退位で天皇が代わるのは江戸時代の光格天皇以来、約200年ぶり。「初めてのことだらけで手探り状態」(別の宮内庁関係者)といった悲鳴も聞こえる。当分、皇室から目が離せない。(本誌・永井貴子)

週刊朝日  2019年1月4‐11日合併号