学長側は「監督が企業から集めた資金を陸上部のために使うのは問題ない。いつ、幾らを使ったと報告してほしいと言っただけ」と反論する。さらに新疑惑が浮上している。陸上部のために大学が1年前に借り上げた、新寮の問題だ。

「入寮した約40人の学生たちの毎月の寮費は7万円なんですが、大学に払う家賃、食費、電気など雑費を入れても6万円前後です。残り1万円を大八木監督の奥さんが料理などを作る賄い報酬に充てている。奥さんを陸上部で雇う形になっていたことは聞いていない」(長谷部学長)

 第三者委員会が結論を出すのに3カ月程度かかるため、箱根駅伝までは大八木監督が続投する見通しだ。

「ここ3年間、3大駅伝で勝てていない。今度の箱根がダメで、2年続けてシード権が取れなかったら、金銭問題がなくても、監督交代になるかもしれません」(別の大学関係者)

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日2018年12月14日号

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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