パワハラを告発した大八木監督 (撮影/加藤夏子)
パワハラを告発した大八木監督 (撮影/加藤夏子)

「週刊朝日の報道で学内はてんやわんや。箱根駅伝まであと1カ月を切って、どうしようみたいな気持ちはあります」(駒沢大関係者)

 本誌(12月7日号)は大八木弘明監督が今年7月、東京のホルモン焼き店に呼び出され、長谷部八朗学長、プロ野球DeNA前監督の中畑清氏ら4人から、「大八木さんが辞表を書けば学長が預かる」などと“辞職勧告”された顛末を詳報した。

 本誌が発売された11月27日夕、駒沢大は「本学教職員に関する一部週刊誌報道について」と題した文書を発表し、第三者委員会を設置し、調査するとしている。

 大八木監督は9月、大学内部監査室にこの辞職勧告が「パワハラだ」とする告発文書を提出し、応酬。

 箱根駅伝を目前に控え、駒沢大で内紛がぼっ発している現状に対し、学内関係者はこう話す。

「ここまできた以上、大八木さんには大八木さんの言い分があるだろうし、長谷部学長には学長の言い分があるだろう。両方の言い分を突き合わせても学内ではぐちゃぐちゃになるだけで結論が出ないので、学外の有識者を集めた第三者委員会の結論が出たら、双方とも従ってほしいですね」

 長谷部学長は本誌の取材に対し、大八木監督が大学に無断で十数年にわたって企業と年間1千万円のスポンサー契約を結び、3年前に数千万円の追徴課税を受けたことなどを問題視。

「それ以外にも、もっと他にありませんかと言ったら、複数社とのアドバイザリー契約などかなり大口のものが昨年から今年の春にかけて、ボロボロと大八木さんが出してきた。最初は彼は金額も言わない。『契約書もありません、口頭の約束です』と言っていた。監督が個人でいくら受け取っていたのか、教えてほしいと言うと、弁護士をつけて拒否をされました」(長谷部学長)

 一方、大八木監督を擁護する学内関係者はこう言う。

「実績のある大八木監督だからこそ、アドバイザリー契約を結べるようになったと思います。大八木監督は陸上部の専任職員ですが、残業代もなく、基本給だけ。大学側は金銭で大八木監督の実績に報いてきていない」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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