LINEを使おうと呼びかけるシニア情報生活アドバイザーの三好みどりさん(右)とデジタルクリエーターの若宮正子さん=撮影・山内リカ
LINEを使おうと呼びかけるシニア情報生活アドバイザーの三好みどりさん(右)とデジタルクリエーターの若宮正子さん=撮影・山内リカ
LINEの画面(iphone)。友だち自動追加はオフにしよう(週刊朝日 12月7日号より)
LINEの画面(iphone)。友だち自動追加はオフにしよう(週刊朝日 12月7日号より)
LINEの利用率(週刊朝日 12月7日号より)
LINEの利用率(週刊朝日 12月7日号より)

 スマートフォンは持っていても、電話やショートメッセージしか使っていない。そんな人に薦めたいのが無料通信アプリ「LINE(ライン)」。家族や友人と連絡を取りやすくなり、シニアの孤立を解消する手段としても注目されています。高齢者こそLINEぐらいやりましょう。

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 シニア向けにスマホサロンを開いているシニア情報生活アドバイザーの三好みどりさん(65)。「ITが苦手だという方でも、LINEぐらい使えるようになってほしい」。こう訴えるのは、自分のこんな体験があるからだ。

 今から2年半前に起きた地震。最大震度7を2回観測し大きな被害が出た。三好さんは震源地近くに住む弟家族に連絡を取ろうとしたが、家の電話も携帯電話もつながらない。唯一連絡が取れたのが、LINEで“友だち”になっていためいだった。親族の安否がわかり、三好さんから支援情報を送ることもできた。

「LINEは災害時に電話回線が混雑していてもつながりやすい。いざという時に役立つので、みんなに活用してもらいたいんです」

 スマホサロンでは、興味を示すシニアが予想以上に多い。メッセージだけでなく写真や動画をやりとりでき、無料電話をかけられることも評価されている。

「孫の写真や動画を見たい、写真を送りたいというのがきっかけですね。最近では同窓会で久々に会った旧友とのコミュニケーションツールや、友人との旅行計画に使いたいからといった理由で、操作方法を覚える人もいます」(三好さん)

 総務省の調査によると、シニアの「LINE利用率」は年々増えている。50代は7割近く、60代は約4割が使っており、もはや若者だけのものではない。

 一方で、「使い方が難しい」「試しに始めてみたら変なメッセージが出てきて困った」という人もいるだろう。対策として三好さんはこう助言する。

「大きなポイントは二つ。一つ目は、友だち自動追加を選択しないこと。二つ目は、LINEのIDは登録せずQRコードで友だちとつながることです」

 使い始めるには自分のスマホにLINEのアプリを入れ、いくつか「設定」する必要がある。

 そこで重要になるのが「友だち」画面のなかにある「友だち自動追加」という項目。スマホの電話番号やメールアドレスが自動的にLINE側に送られ、その人たちを“友だち”にしてしまうシステムだ。あまり親しくない人とも友だちになってしまう恐れがあるため、オフにしておこう。

「誤った操作で友だちになってしまったときは、後からブロックすることもできます」(同)

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