写真はイメージです (c)朝日新聞社
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死後に必要となる手続き(週刊朝日 2018年12月7日号より)
死後に必要となる手続き(週刊朝日 2018年12月7日号より)

 考えたくはないが、いつかは迎える身近な人の死。悲しみに暮れる間もなく、次から次へと慌ただしく連絡や届け出などの手続きに追われることになる。落ち着いて判断できず、後になって悔やむことにもなりかねない。知っておきませんか、死後に必要な手続き。

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「親など身近な人が亡くなったあとに、膨大な数の手続きに直面して途方に暮れるといった話をよく聞きます。元気なうちからある程度、やるべきことを把握して準備しておけば、慌てることもなくなります」

 そう話すのは、終活アドバイザーでファイナンシャルプランナーの山田静江さん。死後の手続きについて、相続・税金関連、葬式・墓関連、届け出関連の三つに分けて考えると整理しやすい、とアドバイスする。

「このうち最も大変なのが相続関連です。『うちには財産がないから』と興味を持たない人もいますが、資産の多寡は関係ありません」(山田さん、以下同)

 たとえわずかな金額しか残っていない銀行口座や、資産価値の乏しい自宅しかない場合であっても、相続する際に必ず必要なのが相続人の確定だ。相続人は子どもだけだと明らかであっても、相続人の証明として、故人が生まれたときからの戸籍謄本あるいは戸籍全部事項証明書をすべて集めなければならない。

「今のお年寄りの世代では、生まれたばかりの子を養子に出すようなことも頻繁に行われていました。死後に戸籍を取り寄せて、だれも知らなかった子どもの存在が初めて明らかになる例は意外と多くあり、こういう場合もその子は相続人になるので連絡を取る必要があります。まったく知らない人と共同で相続することになるのは大変です」

“隠し子”がいなくても、相続人確定の手続きは大変だ。生まれてから死亡までの故人のすべての戸籍が必要なので、戸籍の異動を繰り返した場合、すべての市区町村役場から集める必要がある。

「戸籍をどこから異動したかは直前の記載しかないので、新しいものから一つひとつたどることになります。最終的に10枚以上となるケースもあります」

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