広島の丸佳浩 (c)朝日新聞社
広島の丸佳浩 (c)朝日新聞社
巨人の原辰徳監督 (c)朝日新聞社
巨人の原辰徳監督 (c)朝日新聞社

 2014年にリーグ優勝を飾って以来、球団ワーストタイの4年連続V逸の巨人。広島球団関係者は言う。

【写真】丸獲得に破格の条件を準備しているとされる巨人の原監督

「ウチは田中広輔、菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也、大瀬良大地、中崎翔太と脂が乗り切った選手が多いが、巨人は違う。阿部慎之助、長野久義、内海哲也と主力が衰え、世代交代がうまくいかなかった。岡本和真が今年ブレークしたが、他の若手は伸び悩んでいる。投手は菅野智之頼み。昔はFAで派手に補強したけど、今は超一流選手はメジャーに行く」

 かつての巨人はFA補強が強さの代名詞だった。落合博満、工藤公康、清原和博、江藤智、村田修一……他球団の4番打者、エースを補強して自軍の主軸に据える。豊富な資金力を盾にFAで他球団の選手の獲得を繰り返した。

「育成して主力に成長したところで巨人にかっさらわれる」と他球団ファンから恨み節が聞かれたが、優勝から遠ざかっている近年はこの補強方針が行き詰まっている。FAで大物選手が獲得できないのだ。

「17年オフに西武からメジャーにポスティング移籍した牧田和久も巨人が獲得に乗り出したが断られています。プロ入団前からメジャーでのプレーを夢見ていた大谷翔平、西武・菊池雄星も巨人に興味がない。DeNA・筒香嘉智、広島の鈴木もメジャー志向が強いです。昔の選手みたいに巨人へのあこがれはありません」(メジャー関係者)

 14年オフは相川亮二、金城龍彦、15年オフは脇谷亮太、16年オフは陽岱鋼、山口俊、森福允彦、17年オフは野上亮磨をFA補強した。期待外れの結果が目立つが、それ以上に補強した選手たちの小粒感が否めない。

 原辰徳監督が球団初の3度目の監督に就任した今オフは西武・炭谷銀仁朗、広島・丸のFA補強に乗り出している。炭谷は捕手の経験値を高く評価されているが、西武では3番手捕手で今年は47試合出場のみ。獲得に否定的な声も少なくない。一方で丸は球界を代表する強打者。巨人は5年30億円を超える契約条件を準備していると報じられたが、雲行きは怪しくなっている。

「丸は広島への愛着が強いです。もう少し条件面で上積みすれば残留する見通しのようです」(球界関係者)。丸を取り逃せば、巨人ブランドは失墜の危機だ。

週刊朝日  2018年12月7日号