──金銭トラブルなどはなかったか。

「15年に大八木さんのスポンサー企業に国税の査察が入り、その支出先として陸上部の大八木さんの口座が調べられた。陸上部がみなし法人と判断され、数千万円の追徴金を課せられたと聞き、驚いた」

──大八木監督は学長のパワハラと訴えている。

「パワハラではない。今年3月に大八木監督とコーチと食事をした時、人事の話はすでにしており、本人が『(現場はコーチに任せ)総監督になってもいい』と話していた。私としては公にすると監督の経歴に傷がつくと思い、7月に話し合う場を持った。中畑さんを呼んだのは、監督自身が相談していたから。だが、表沙汰になった以上、委員会などを立ち上げ、調査せざるを得ない」

 学長らは監督の金銭問題を調査したぶ厚いファイルを持参していた。

 渦中の大八木監督を直撃すると、「それはちょっとわからない。それに関してはノーコメントですので、すいませーん」と電話が切れた。

 11月27日発売の週刊朝日 ではパワハラ告発文書の詳細、中畑清氏や学長との一問一答全文を計3ページで特報している。(本誌・上田耕司)

週刊朝日  2018年12月7日号より抜粋

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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