「モリカケ問題で安倍首相が口にしていた『李下に冠を…』という一節を指したものではないか。退位を巡る宮内庁と安倍政権の一連のやり取りや政権の皇室への姿勢に対するメッセージではないかというものでした」(両陛下の知人)

 だが、皇后さまを知る人たちの多く、そうしたうわさをこう否定した。

「このお話は過去にも皇后さまよりうかがったことがあります。加えて、皇后さまや私の世代では、マクワウリはとても懐かしいものですから、思い出としてお話した以上の、深い意味はないと思います」(皇后さまの知人のひとり)

 他方、注目を集めたのが約60年前のご成婚と皇后としての覚悟を振り返った部分だった。

〈二十四歳の時、想像すら出来なかったこの道に招かれ、大きな不安の中で、ただ陛下の御自身のお立場に対するゆるぎない御覚悟に深く心を打たれ、おそばに上がりました〉

 そして、言葉少なに触れるにとどまったが、皇太子さまと雅子さまが築く新しい御代の安泰を祈った。

 皇后さまの別の知人は、「皇后さまは、〈皇太子妃、皇后という立場を生きることは、私にとって決して易しいことではありませんでした〉といった感じで、皇室に生きる上での覚悟のお言葉を幾つもお使いです」

 と、皇太子ご夫妻へ向けて応援のメッセージのようにも感じた、と印象を漏らした。

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美智子さまが語ったお見舞いの時の様子