「手作りの鉢巻きもあるけど、今日はコンサートではなくてイベントなので、最小限にしたの。行けるコンサートには全部行ってるわよ」(妻・文子さん)

 最後列で声援を送っていたSさん(60代女性)の“追っかけ活動”は夫公認だという。

「独立して家を出た息子の代わりじゃないけど、今は三山クンに夢中。旦那は『三山くんのことを話しているキミは生き生きしてる』って言ってくれる。恋する女はキレイになるってやつですかね(笑)。今の夢は三山クンのレコード大賞受賞。そのために、一生懸命応援してます」

 女性ファンにとっては恋人であり、息子でもあるようだ。

 人生100年時代。子供が手を離れ、時間と、ある程度の経済的余裕ができた世代の悩みの種は「健康」と「生きがい」。好きなタレントの“追っかけ”をする女性たちは、両方を手にしている。

 舟木さんと三山さんは共に、ファンとの交流を大切にしていることで知られる。そして、ファンにとっては2人とも“元気の素”。

 大ベテランの舟木さんは、元気をくれる「ビタミンF」と称され、若手の三山さんの売りは、聴くと癒やされる「ビタミンボイス」。2人が共通するキーワードを使っているのは偶然ではないだろう。

 昔から憧れていたスターでも、最近気になる若手でも、“追っかけ”てみたら心身ともに元気になれるかもしれない。(文/本誌・鈴木裕也)

※週刊朝日 2018年10月19日号