■医師から告げられた大動脈解離という病名

――病院では医師からどんなお話がありましたか?

 大動脈解離という病気で、心臓から出て枝分かれしている大動脈のうち、下に向かう部分が20センチくらい裂けたと。先生からは、「もし、もう少し先まで裂けていたら危なかったです。助かったのは奇跡に近い」と言われました。そして、既に自然治癒が始まり、容態も安定しているので、手術はせずに様子をみるとのことでした。

 でも、それを聞くまでは状況もわからず、年末の小さな診療所で手術ができる先生がいないのかな、様子をみるしかないって死ぬんちゃうのんとか、心配してました。

 入院中は絶対安静と言われ、降圧剤の投与などを受けていました。落ちたリモコンを拾おうとしたら先生が飛んできて、「こんな動作でも血圧は上がるので、血管が弱った今の状態では危ないんです。何もせず、いっさい動かないでください」と……。これが一番つらかったですね。1週間後に一般病棟に移れたものの、驚くほど体力が落ちていて、個室内のトイレに行くのもやっとという感じでした。

――退院後、生活に何か変化はありましたか?

 2週間で退院できたんですけど、入院中に吸えなかったたばこは、先生に原因と言われたこともあり、その後もずっと吸っていません。週に1~2回、2~3キロ程度のウォーキングも始めました。ゴルフは……コースは遠のいてますね。体調的には問題ないし、先生にも止められてないんですけど、一緒に行った人に迷惑をかけないかと不安で。でも、練習場には行ってますよ。

 思い返せば、昔はたばこを1日3~4箱吸っていました。「夕陽のガンマン」のクリント・イーストウッドよろしくね。食生活も、大阪ならではの炭水化物の多い食事が中心でしたね。今思えば、40歳を過ぎたあたりから高血糖の兆候があったかもしれません。その上、血圧も130と少し高く、肥満の傾向もありましたけど、日常生活には支障がなかったんでやり過ごしてしまい、50代になっても夜中にラーメン食べてましたね。

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激痛の中で死の足音