
(大きさ50mm/パラオ)
体をとぐろ状に丸めて防御の姿勢をとっている。成長すると、ウツボのような形状の肉食魚になる
夜の海を覗いてみると、美しく、不思議な小さな生き物がいた。人の目には透明に見えることの多いプランクトンは、カメラを通すと色鮮やかに映し出される。
「海のなかには、宝石のようなプランクトンがたくさんいます。その撮影はまさに宝探しのようです」。そう話すのは水中写真家の峯水亮さん。プランクトンとは、あまり運動能力を持たず、主に水中を漂う生物を指し、か弱く感じられるが、じつは知恵や技を持ち、したたかに生きている。不思議な形状や色も、一つひとつに意味があり、戦略に満ちている。
撮影は新月の日の満潮時に接岸回遊してくるところを狙う。
「海の生物ではイルカやクジラが人気ですが、プランクトンは彼らにとってエサになる重要な生物です。その存在と美しさに多くの人が注目してほしいですね」
■ウツボ亜科のレプトセファルス期稚魚(大きさ50mm/パラオ)
体をとぐろ状に丸めて防御の姿勢をとっている。成長すると、ウツボのような形状の肉食魚になる。