内閣府D:実はJAXAの業務をめぐる汚職事件で逮捕された文科省の川端和明被告と省庁再編の会議などで面識があって、テレビで見たときは、「えー!」と思いましたよ。でも、心では納得していました。「この人、いい加減な人だな」と仕事をしていて思ったことありましたから。文科省は加計問題で前川喜平前事務次官が徹底的に盾突いたので、官邸から目の敵にされていますね(笑)。まあ、前川さんは企業の御曹司だから、定年後のお金の心配もしなくていいからね……。われわれは天下り先も自分で探さないとダメで、官邸ににらまれるのは勘弁って感じです。

文科省A:上の人たちを見ていると、「政治家ってなんであんな偉そうなんだよ。絶対あいつには投票しない」と言っている人もいます。ですが、気持ち悪いくらいに、政治家にペコペコする人もたくさんいます。

官僚は、政治家に不満を持っている割に、腰が低いと思います。特に大臣には「大臣さまさま」ですね。

内閣府D:大臣によりけりです。茂木敏充経済再生担当相は最悪。「お前らバカか」という態度で威張り散らしています。

財務省B:うちは、大臣にへこへこすることはあまりないですね。財政再建という明確なゴールが決まっているので、自分たちのやることにぶれがないことが大きな理由かなと思います。あとは金融などへ転職しやすいというところ(笑)。

防衛省C:転職しやすいのはうらやましい。

■天下り斡旋組織 崩壊で不安も…

財務省B:省庁によって違うと思うんですが、転職がしやすい省庁は、引退するまで勤めようと思っている人は少ないです。民間企業に近い働き方をしていたり、仕事で付き合いもあったりする経産省と財務省は転職する人が多いですね。3分の1は残るかもしれないけど、3分の2はいなくなるというのが今の現場の感覚です。平成9年の入省以降は、退職が激しいと聞きました。平成9年は半分ぐらい辞めています。旧大蔵省の不祥事が平成10年に起きて、そのとき入った1年生はいろいろ思うことがあったのではないでしょうか。今年も財務省は不祥事続きで、辞める人が出てきそうですね。

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