
「甘い言葉」のネタで一世を風靡し、今はお芝居や文学など幅広く活躍を続ける、スピードワゴンのお二人。作家の林真理子さんが仕事や私生活に迫ります。
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林:小沢さんは本がすごくお好きなんですよね。本が売れないこのご時世に、こういう人気者の方が「本っておもしろいよ」と言ってくださると、ほんとにうれしいです。おうちの至るところに本が置いてあったりするんでしょう?
小沢:はい。
林:自分でもお書きになるんですよね。処女作(『でらつれ』)をお書きになったのはいつでしたっけ。
小沢:9年前、35歳のときですね。
林:楽しかったですか。
小沢:コントのネタを書くみたいな感じで、楽しかったです。ぼくが書いたのは、星新一さんみたいな感じの短い小説が16編だったので、すごく楽しかったです。
林:又吉さんみたいな芥川賞作家も出たし、お笑いの方ってネタをつくるから、そこから派生して文章を書くのは慣れているんでしょうね。それを小説にするセンスは、みんながみんな持っているわけじゃないだろうけど。今も何かご執筆中ですか。
小沢:いえいえ。あのときも知り合いの編集者の方が「書いて」って言うから、「うん、わかった」って。ぼく、自分から何かをやりたいと思ったことは、あまりないんですよ。
林:それでも、ひとつひとつやり遂げるところがえらいですよね。ところで井戸田さんって、男性の成功の理想像というか、サクセスストーリーの代表みたいじゃないですか。みんなの憧れの女優さんと結婚して。そのあと芸人さんとアイドルや女優さんの結婚のはしりになっちゃったんじゃない?
井戸田:そうですかね。離婚しちゃってますからね……。
小沢:はしりはヒロミさんと(松本)伊代さんじゃないかな。
井戸田:ぼくのあとに陣内(智則)さんと藤原紀香さんとか、「モー娘。」の高橋愛さんとあべこうじ君とか、庄司(智春)君と藤本美貴さんとかが結婚したので、そう見えるのかもしれませんね。ぼくが結婚したとき、世の中の人はそんなにスピードワゴンを知らなかったので、あれで知ってくれたところがありますよね。