警視庁が“キャバ嬢組合“を家宅捜索 これも働き方改革? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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警視庁が“キャバ嬢組合“を家宅捜索 これも働き方改革?

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亀井洋志週刊朝日
イメージ写真 (c)朝日新聞社

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『キャバ嬢なめんな。』の筆者の布施えり子さん(撮影/玉井美世子)

『キャバ嬢なめんな。』の筆者の布施えり子さん(撮影/玉井美世子)

 東京都渋谷区にあるキャバクラ・ユニオンの事務所に、警視庁赤坂署が家宅捜索に踏み切ったのは7月11日のことだ。

 容疑事実は、昨年12月にユニオンが賃金未払いのあったキャバクラ店に争議活動を行った際、黒服の従業員とトラブルになって傷害を負わせたというもの。暴力を振るったとされる組合員も事情聴取を受けた。

 ユニオン共同代表の一人で、著書に『キャバ嬢なめんな。』がある布施えり子さんは、首をかしげる。

【写真】『キャバ嬢なめんな。』筆者の布施えり子さん

「争議になった店とは最終的に労使間で和解協定を結び、円満に妥結しています。なぜ半年以上も経って突然、捜索を受けるのか。当時、店側が呼んだ赤坂署の警察官が3人ほど立ち会っていたのです。今回、警察官15人ほどが5時間以上も捜索を行い、パソコンやICレコーダーを押収した。何も記録など残っているはずもないルーターまで持って行かれ、Wi-Fiも使えない。嫌がらせとしか思えません」

 傷害の件も、ユニオン側は手を出していないのに従業員が自らわざと転んだ、と説明する。ユニオン執行委員の田巻実さんも言う。

「あまりにも芝居じみていて、その場にいたみんなが笑ってしまったほどです。従業員は『組合員にタックルされて背中が痛い』と言っていたのに、警察官の今回の説明では『頭部に全治何日かのケガを負った』に変わっていました」

 キャバクラ・ユニオンは09年に結成。劣悪な労働環境に苦しむキャバクラ嬢のための労働組合だ。キャバクラといえば煌びやかな衣装で接客する華やかなイメージが強い。だが、現実はリーマン・ショック以降、客足がすっかり遠のき斜陽化が急速に進んだ業態だ。キャバクラ嬢の労働条件も悪化し、賃金未払いは常態化しており、店主や客からのセクハラ・パワハラ行為も日常茶飯事だという。

「時給5000円以上」などと好条件の求人広告を打ちながら、実際はボッタクリが横行している。

 ユニオンの布施さんもキャバクラで働き始めた時、未経験で付いているお客もゼロということで時給2500円からスタートした。そこから源泉徴収が10%、ヘアメイク代や帰宅時の送り代などが天引きされたうえ、化粧や着替えなど無給の準備時間を入れたら実際の時給は1200円程度だった。店で着用するドレスや靴もすべて自腹だ。布施さんが説明する。


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