「読み込んでいけば、チラシの割引サイクルがわかり、次にどれが安くなるかまで予測できます」と今野さん。恐るべし、チラシ活用術!

 さて、スーパーに入ったときに見逃したくないポイントがあるそうだ。それが、「特売商品は陳列棚の最下段に並びやすい」ことだ。

 今野さんによると、最下段は商品を積み上げるスペースが最も多くあり、大きな文字で安さをアピールする広告のポップを立てたり貼り付けたりしやすいため、特売に向いているそうだ。肉や魚のほか、豆腐や納豆がその典型例だ。また、チラシ同様、店頭でも文字の大きさは、「安さ」の自信に直結している。

 チラシにもお目見えするが、スーパーで買い物をしていると、いい香りが漂ってきて、ついトングを手にしてしまうのが、ギョーザや揚げ物などの総菜だろう。

 今野さんによると、スーパーの総菜は85年ごろから店頭に並び始め、当時はコロッケや天ぷらなど揚げ物が主流だった。

 総菜は水光熱費も手間もかからない、ある種の節約だ。たとえばコロッケが1個58円の場合、家庭で20個以上作って、ようやくその価格を下回るという。ジャガイモをふかして、つぶして、形を整え、小麦粉をまぶし、卵に通して、パン粉をつけて、油で揚げる……。確かに、手間がかかるなぁ。

 総菜の見極めは、からあげとコロッケ、ポテトサラダの味。この3品はスーパーの総菜でも“古株”だそうで、今野さんによると、いいスーパーの“条件”と言ってもいいそうだ。(本誌・緒方麦)

週刊朝日 2018年7月27日号