東京じゃない!? 年収ランキング3位は北海道の“村”だった

2018/07/04 11:30

 都心に行きやすい周辺の街でも人口が増えて、高所得者が流入している。ランキングに入る武蔵野市(東京都)や浦安市(千葉県)などは、会社員らに人気があるエリアだ。

 高収入というと大企業の社員や公務員らを想像しがちだが、実は農林水産業に従事する人も負けてはいない。

 東京周辺が上位を占める中で、意外な自治体が食い込んでいる。猿払村(さるふつむら・北海道)は813万円で3位。北海道北部のオホーツク海に面し、人口は2700人(6月時点)。

 水揚げ量が市町村の中で全国一のホタテ漁のおかげだ。村には“ホタテ御殿”が立ち並び、ベンツなどの高級車が走る。村の漁業関係者はこう明かす。

「海が荒れて水揚げが全国的に少なくなると、1キロあたりの単価が跳ね上がる。猿払村は水揚げが安定しているので単価が上がると、年収が1千万円を超える人は珍しくない。3千万円を超える人もいる」

 移住したいと思う人もいるだろうが、ホタテ漁ができるのは漁業協同組合員に限られるという。

「新たに参加できるのは、いま従事している親の息子、もしくは、娘と結婚した娘婿に限られる。後継者は2人まで。これは乱獲を防ぐためです」(漁業関係者)

 大企業の恩恵を受けているところもある。13位は忍野(おしの)村(山梨県)の484万円。富士山のふもとにある自然豊かな村で、人口は9700人(5月時点)。

 村役場総務課の担当者は、「住民の平均年収が高いのはファナックがあるためです」と説明する。産業用ロボットなどを製造する世界的な企業だ。一般消費者向けの製品は扱わないため知名度は低いが、企業の市場価値を示す時価総額は6月21日時点で約4.6兆円。日産自動車や日立製作所などを上回り、超優良企業として知られる。

 有価証券報告書によると、17年3月期の社員(平均年齢42.2歳)の平均給与は1318万円。12年と比較すると240万円増えた。

「村には2千人弱の従業員や役員が住んでいます。家族を含めれば村民の3割くらいが関係者。太陽光発電などを備えた高機能な家に住んでいる人が多いですね」(村役場総務課の担当者)

1 2 3

あわせて読みたい

  • 老後も安心の市区町村ランキング100 財政力や病床数のトップは?

    老後も安心の市区町村ランキング100 財政力や病床数のトップは?

    週刊朝日

    7/2

    西日本ダントツトップは、超高級住宅街がある市 「自治体別」年収ランキング!

    西日本ダントツトップは、超高級住宅街がある市 「自治体別」年収ランキング!

    週刊朝日

    7/4

  • 財源不足もアイデアで解決 コロナ支援に知恵絞る自治体たち

    財源不足もアイデアで解決 コロナ支援に知恵絞る自治体たち

    週刊朝日

    5/21

    1位は!? ふるさと納税“損している自治体”ランキング

    1位は!? ふるさと納税“損している自治体”ランキング

    週刊朝日

    9/20

  • スプレー缶のごみ出し、穴を開ける?開けない? ルールが自治体によって異なる理由

    スプレー缶のごみ出し、穴を開ける?開けない? ルールが自治体によって異なる理由

    dot.

    2/17

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す