でかくて輝く林遣都に乙女なおっさん・吉田鋼太郎…純情ドラマが切ない 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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でかくて輝く林遣都に乙女なおっさん・吉田鋼太郎…純情ドラマが切ない

連載「てれてれテレビ」

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カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

(c)カトリーヌあやこ

(c)カトリーヌあやこ

 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「おっさんずラブ」(テレビ朝日系 土曜23:15~)をウォッチした。

【「おっさんずラブ」のイラストはこちら】

*  *  *
 おっさんが「好きです!」と叫ぶ絵づらが、こんなにもせつないなんて!? なんせヒロインが吉田鋼太郎。ちょっと噛み砕けない、その事実……とお思いでしょうが、おっさんの表情を見ればもう納得。だって鋼太郎の瞳、キラキラなんだもの。

 そんなヒロイン・黒澤(吉田)が恋い焦がれる相手は、会社の部下「はるたん」こと春田(田中圭)。33歳ののほほんとした独身男だ。美しい妻を持ち、出来る上司である黒澤だけど、はるたんの前では「会いたくて会いたくて」震えがちな西野カナ系乙女なのだった。

 夜景の綺麗な公園で、黒澤がついに告白するシーン。

「はるたんが好きでええす! ほんとは自分の心の中にしまっておくつもりだった。(略)もう自分に嘘をつくの、やめようと思ってさ」

 声でかすぎて、音割れてますから。そして絵づらは、どう見ても蜷川幸雄演出「ヘンリー四世」がなぜかサラリーマンに告ってる図ですから。でかいのは声だけじゃない。春田と同居している後輩・牧(林遣都)も秘めた想いを抱いていた。入浴中の春田にタオルを持って来た牧は、濡れるのもかまわず壁ドンならぬシャワードンキス。

「春田さんが巨乳好きなのは知ってます。でも、巨根じゃダメですか?」

 その告白で即座に「うん」て言うヤツいるのかどうか知らんけど、あっちもこっちもでかすぎ祭り。「べっぴんさん」ですかしたドラマーやってた時より、「巨根」て囁いてる方がずっと輝いてるよ、林くん!

 そして、迫られるたび「あわわわわ」と、うろたえるばかりのはるたんだ。これが男女の恋物語なら、二人から告られてるのに「あわわわわ」してるだけの優柔不断ヤローめ!となるけれど、このドラマは、「がんばれ」と3人の肩をそっと叩きたくなる不思議。

 一時恋愛ドラマのヒロインは、「干物女」系ばかりだった。仕事はキッチリしても家ではダラダラ、恋愛は不器用。一人ビールをプハーッと飲むのが幸せな、心におっさんが住む乙女。

 そんなヒロイン像がすっかりマンネリ化した今日この頃、新たに登場したヒロインは、心に乙女が住むおっさんだった。巷のおっさんな乙女たちも、かわいこちゃんヒロインよりよっぽどシンクロしやすいはず。乙女なおっさんの純情に。

週刊朝日 2018年6月1日号


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カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など。

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