そう考えると、CDも一緒なのか? いや、ちょっと違うか。CDの場合は、CD売り上げというデータを残すことが大事になっている。いまだにCD売り上げという人気の指標が重宝されているし、そこに頼るしかない風潮と文化。

 こうやって書いてる僕も、昨年、ある声優さんの曲の作詞をして、そのCDが「オリコン3位」だったときに、やはり嬉しかったし、ついついそれを人に言ってしまう自分がいた。

 CDショップだったはずの店に行くと、CDを置いてあるスペースは少なく、販売のDVDもほとんど売ってなかったりする現状。

なのに、CD売り上げは大事。いつかこれが壊れる時代が来るのだろうか? 近づいてはいるのだろうけど。

 視聴率に対しても同じようなことを感じる。いろいろなデータが取れる今の時代に、一般の家に専用の機械を置いて視聴データを計測することで、視聴率は出ている。

 これを変えようとしない文化が日本にあるし、それにすがって僕もテレビを作っている。

 エンターテインメントの大事なデータ。大きく変わる日は来るのだろうか?

週刊朝日 2018年5月18日号

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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