鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍
鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍
社会現象になったビックリマンチョコ (c)朝日新聞社
社会現象になったビックリマンチョコ (c)朝日新聞社

 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回はCDをテーマに送る。

【社会現象になったビックリマンチョコ】

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 今、CDを再生する機械がある家ってどのくらいあるのか? パソコンとか、そういうんじゃなくステレオ的なもの。うちにはありません。聴くときにはパソコン再生。

 先日、とあるレコード会社の人と一緒にそのことを話したら、3人中2人はなかった。レコード会社の人も「ありますよ」と強気で言ってたものの、ゲーム機で再生してるんだとか。

 CDって何なのか?と思ってる業界人は少なくないし、そこを話しても答えが出ないことはわかっている。

 音楽をCDで聴く人はかなり減っている。なのに、日本でCD売り上げは大事なデータとされている。さすがに最近は、ダウンロード数やラジオでかかった回数、ツイッターで話題になった数などをまとめてデータにしたものなどを目にすることも多くなったが、いまだに「CD売り上げ1位」って言葉をよく目にする。

 結局、CDと一緒についているDVDや、そういった「付録」を充実させないと売れないってことで、各メーカー必死になっている。CDで音楽を聴くことよりも、その「特典」を目的に買っている人も多いし、作っているほうも買っているほうも、それをわかっている。

 CD売り上げという記録を残すために、みんな必死になっている。これって一体なんなんだろうね。

 ふと気づくと、同じようなものがあった。ビックリマンチョコだ。ビックリマンのシールが欲しいだけで、チョコを食べたいわけじゃない。チョコを捨ててしまう人が多数いて、社会問題にもなったりした。じゃあ、ビックリマンチョコじゃなく、ビックリマンシールでいいじゃないかというと、そうじゃない。お菓子屋さんでチョコと一緒に入っていることが大事なんだと思う。ビックリマンシールとしておもちゃ屋さんで売っていたら、多分あそこまで社会現象にならなかっただろう。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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