平昌オリンピックで日本選手団が着用する公式服装として、AOKIが製作した。日本製の素材や縫製にこだわり、上着のデ ザイン(シングル・ダブル)、パンツのシルエットは選手自身が選択可能=1月24日、日本選手団結団式でスキー・ジャン プの高梨沙羅(前列左)、スピードスケートの小平奈緒(同右)らが着用(撮影/伊ケ崎忍)
平昌オリンピックで日本選手団が着用する公式服装として、AOKIが製作した。日本製の素材や縫製にこだわり、上着のデ ザイン(シングル・ダブル)、パンツのシルエットは選手自身が選択可能=1月24日、日本選手団結団式でスキー・ジャン プの高梨沙羅(前列左)、スピードスケートの小平奈緒(同右)らが着用(撮影/伊ケ崎忍)

 1月24日の日本選手団結団式で披露された、平昌オリンピックで日本選手団が着用する公式服装。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。

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 今回は日本選手の世代交代だってことで、若手選手への期待が渦巻いてるよね。これだけ盛り上がってるんだもん。公式服装だって、さぞや気合を入れて作られてるはず、と思ったんだよ。ところが蓋を開けてみると、前回のリオ五輪や前々回のソチ冬季五輪の公式服装とも、ほとんど代わり映えのしないトラッドスタイルときた。

 若い選手は伸びてるわ、次期開催国で視線は熱いわと、ここで個性的なデザインでも打ち出せば注目間違いなしだったはずだよ。なのに、なんでよりによって、可もなく不可もなしのトラッドスタイルなんだか。そもそも日本って、トラッドの国じゃないはずだよね?

 やっぱり問題は、リスクを怖がり、変化を嫌うJOCの姿勢にあるんじゃないかね。ここが変わらないことには、いくらデザインを公募したところで、斬新なものは出てこない。2020年の東京五輪も大して期待できないと痛感するよ。しかし、もったいないよね。若い日本人選手が大豊作な大会にだよ? 若さの勢いがちっとも感じられない公式服装って。選手のみなさんは個性全開で頑張っていただきたく。

(構成・福光恵)

週刊朝日  2018年2月9日号