「売り切れ」と貼り紙を出した米国の書店(c)朝日新聞社
「売り切れ」と貼り紙を出した米国の書店(c)朝日新聞社

 今月5日に米国で発売されたトランプ米大統領の暴露本『Fire and Fury(炎と怒り)』が、現地の書店で売り切れになるなどベストセラーになっている。本の中身はというと、政権内の主導権争い、トランプ氏の無能ぶり、特異な習慣、悪癖などを暴露したもの。当然、トランプ氏は激怒し、発売前からツイッター上などで猛批判。トランプ氏の弁護士を通じて本の出版差し止めを求めていたが、逆に、当初より前倒しで本は発売された。暴露本が注目されたのは、ネタ元とされたのが前首席戦略官のスティーブン・バノン氏とされたことだ。バノン氏は大統領選勝利の立役者で、昨年8月に政権を離れるまで、トランプ政権の政策立案に大きく関わっていた。米ボストン在住の作家・渡辺由佳里さんは、早速購入して読んだという。

「本の内容はこれまでリークされたニュースを目にしていれば、ほとんど既出で、驚きがないです。ただ、それ自体に驚きました。ここまで今のホワイトハウスが情報漏洩に甘いアマチュア集団なのかということを示しています」

 毒殺を恐れて誰にも歯ブラシを触らせない、マクドナルドを好む、といったゴシップが書かれている一方、政策がどう決まってきたかがわかるという。

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