今年のセンター試験に臨む受験生たち=13日、東京都文京区の東京大 (c)朝日新聞社
今年のセンター試験に臨む受験生たち=13日、東京都文京区の東京大 (c)朝日新聞社
調査結果によると恋愛は必ずしも受験の障害ではなさそうだ(写真:河合塾提供)
調査結果によると恋愛は必ずしも受験の障害ではなさそうだ(写真:河合塾提供)

 大学に合格するまでは恋愛禁止。こんな考え方はもう時代遅れなのかも知れない。大手予備校の河合塾の調査で、交際している受験生と、交際していない受験生で「合格率」(勝率)に差はないことがわかった。むしろ、交際している受験生のほうが、希望校を含め全て合格した割合が高いという。恋愛などでリアルに充実している「リア充」、恐るべしだ。

【恋愛は受験の障害ではない…調査結果はこちら】

 調査は昨年11月28日から12月5日に、全国の大学生を対象にインターネットで行った。文系の男性と女性150人ずつ、理系の男性と女性150人ずつ、計600人分を集計。第一志望に受かったか落ちたかではなく、専願と併願を含め、受けた大学のうち合格した割合を分析した。

 受験期間に異性と交際していたのは16.8%。そのグループの合格率(勝率)は71%だった。交際をしていなかったグループは70%で、違いは見られなかった。

 交際者と非交際者のグループで差が出たのは、受けた大学全てに合格したかどうか。合格率(勝率)が10割と答えた人は、交際者グループが44%、非交際者グループが40%で4ポイントの開きがあった。

 専門家はこの結果をどう見るか。恋愛結婚学研究所所長で、恋愛・婚活情報サイト「愛カツ」(https://aikatu.jp/)編集長の新上幸二さんは、交際している人たちが推薦入試やAO入試で良い結果を残しているのではないかと指摘する。こうした入試では、1校しか受けない専願制のところが多く、合格率(勝率)も高まりやすいためだ。

「交際している人は、コミュニケーション能力が高い人が多い。交際することで、その能力がさらに磨かれます。推薦入試やAO入試では面接がある場合も多く、『コミュ力』も合格率につながったのではないでしょうか」(新上さん)

 交際している人は受験に余裕があるから恋人を見つけられている、という仮説も考えられる。交際相手とお互いに合格を約束し、励まし合う良い関係ができる面もある。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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