田原総一朗「『エルサレム』まで使った選挙に敗れたトランプの窮地」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
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田原総一朗「『エルサレム』まで使った選挙に敗れたトランプの窮地」

連載「ギロン堂」

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田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

ホワイトハウスの姿勢が変わるはずがない?(※写真はイメージ)

ホワイトハウスの姿勢が変わるはずがない?(※写真はイメージ)

 国内での影響力を低下させるトランプ米大統領。その理由をジャーナリストの田原総一朗氏が解説する。

*  *  *
 12月12日、米国務長官のティラーソン氏がワシントンでの講演で司会者から北朝鮮との対話への条件について問われ、「北朝鮮が話したいときはいつでも対話する用意がある。前提条件なしだ」と表明した。

 トランプ大統領は「北朝鮮が核放棄を決意することが対話の前提条件だ」と主張し続けていた。ティラーソン氏の表明は、それと真っ向から対立する。ティラーソン氏の表明が国務省としての意思表示だとすると、明らかに大きな戦略転換である。

 実は、8月に河野太郎外相がティラーソン氏と会談した際、北朝鮮との対話の条件を問うと、ティラーソン氏は米国として、北朝鮮が核放棄を決意することが前提だと答えていた。そのティラーソン氏の姿勢が大きく変わったのだ。そのことを、外務省筋の事情通に問うた。すると事情通は「ティラーソン氏は来月いっぱいで辞めざるを得ないことをわかっていてあえて本音を述べたわけで、ホワイトハウスの姿勢が変わるはずがない」と説明した。

 現に、13日は米国務省のナウアート報道官がティラーソン長官の表明について「決して新しい方針を打ち出したわけではない」と全面的に否定し、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も同日の講演で、対北朝鮮では非核化が唯一の目標であり、対話や交渉自体が目的になってはならない、と指摘した。ティラーソン氏の表明は、下品な言い方をすれば「最後っ屁」だったことになる。

 一方、12日にトランプ大統領に大打撃となる出来事が起きていた。アラバマ州の上院議員補欠選挙で、民主党のダグ・ジョーンズ候補に共和党のロイ・ムーア候補が敗れたのだ。アラバマ州は共和党の牙城で、民主党の勝利は25年ぶりだった。

 実は、今回の選挙で共和党は分裂していた。9月の予備選挙では党主流派が推す候補を党右派で排外主義的なムーア氏が破り、トランプ大統領はムーア氏を支持していた。


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