神戸製鋼グループのコベルコ教習所で“手抜き講習” 受講者2万3千人が補講や追試へ (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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神戸製鋼グループのコベルコ教習所で“手抜き講習” 受講者2万3千人が補講や追試へ

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多田敏男週刊朝日#企業
講習の時間不足が発覚したコベルコ教習所の北九州教習センター(コベルコ教習所のホームページから)

講習の時間不足が発覚したコベルコ教習所の北九州教習センター(コベルコ教習所のホームページから)

玉掛け技能講習の中止を知らせるコベルコ教習所のサイト。「諸事情により」として業務停止命令を受けたことは伏せられていた

玉掛け技能講習の中止を知らせるコベルコ教習所のサイト。「諸事情により」として業務停止命令を受けたことは伏せられていた

データ改ざん問題の会見で厳しい表情を浮かべる神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長。グループ企業の新たな不祥事で厳しい立場になりそうだ=11月10日 (c)朝日新聞社

データ改ざん問題の会見で厳しい表情を浮かべる神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長。グループ企業の新たな不祥事で厳しい立場になりそうだ=11月10日 (c)朝日新聞社

製品データ改ざん問題が発覚した神戸製鋼所 (c)朝日新聞社

製品データ改ざん問題が発覚した神戸製鋼所 (c)朝日新聞社

 製品のデータ改ざん問題で揺れる神戸製鋼所で、グループ企業の新たな不正が発覚した。クレーンやフォークリフトの運転資格の教習事業などを手がける「コベルコ教習所」(本部・兵庫県明石市)で、法律で定める講習時間が勝手に短縮されていた。

【玉掛け技能講習の中止を知らせるコベルコ教習所のサイト】

“手抜き講習”によって、約2万3千人が補講や追試を受けなければいけなくなる。技能講習機関の不正の規模としては過去最大級とみられ、グループの管理体制が改めて問われる。

 コベルコ教習所は、大手建設機械メーカーの「コベルコ建機」の100%子会社で、神戸製鋼所の孫会社に当たる。社員の名刺には「KOBELCO」(コベルコ)のロゴと、「神戸製鋼グループ」の文字が書かれている。

 北海道から熊本まで全国に11拠点があり、運転資格取得のための実技教習や労働安全に関わる技能講習などを実施して、多くの受講生を受け入れている。こうした事業を手がける企業の中では大手の一角だ。会社のホームページでは、

<「教習」という事業を通じて、労働現場に「安全」をお届けし、豊かな社会の発展に貢献していきます>と、経営理念をうたっている。

 だが、それに反するようなことが行われていた。

 拠点の一つの「北九州教習センター」(北九州市小倉北区)で、法律で定める講習時間が短縮されていたのだ。

 コベルコ教習所は、クレーンやフォークリフトなどに関する様々な技能講習を実施している。建設会社の社員ら受講者は、講習を受け修了試験に合格すると「技能講習修了証」をもらえる。クレーンやフォークリフトの運転、重いものをつり上げる「玉掛け」など、危険な業務に就くにはこの修了証が必要だ。資格がない人を危険な業務に従事させた場合、その会社と経営者は労働安全衛生法に違反する。そんな重要な講習で、長年“手抜き”が続いていた。

 厚生労働省の出先機関の福岡労働局は4月17日、北九州教習センターに立ち入り調査した。その結果、玉掛け技能講習の時間が14分間足りなかったことが判明した。3時限目は10時55分から11時55分まで60分間学科の授業をすべきなのに、早めに終えていた。

 講習は通常コースで3日間(19時間)あり、14分ぐらいたいしたことはないと思うかもしれない。しかし、講習時間やその内容は法令で厳格に定められている。不十分な講習で安全ルールなどを理解しないまま危険な業務に就くと、死亡事故につながる恐れもあるためだ。時間不足がわかると受講者は補講を受け、その分野の理解度を確認する試験を再び受けないといけない。



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