生涯現役支援窓口のあるハローワーク池袋の高橋大弐職業相談部長は、

「65歳まで同じ会社で働き、一度も履歴書や職務経歴書を書いたことがない人が多い。書き方のアドバイスや、面接の対策もしている」

 として、気軽に訪れてほしいと訴える。

 ハローワークにはパソコン端末があり、毎日大量の情報が更新されている。自分の希望する条件で求人を検索できるので、とりあえず試しに行ってみてはどうだろうか。

 自治体から業務委託を受けて、高齢者の就業支援をしている組織や団体もある。

「東京しごとセンター」は、就業のための知識や技能を身につけるセミナーやイベントを行っている。東京・飯田橋のセンター1階には、55歳以上向けの「シニアコーナー」があり、相談にも対応している。平日夜8時まで開いているので、利用しやすい。

 65歳以上が職場体験できる「しごとチャレンジ65」も実施している。インターンのような制度で、企業と就職希望者のギャップを解消しようとしている。16年度は約100人が利用し、半分近くが就職した。

 センターでは7月28日にシニア向けの再就職応援セミナーがあり、約30人が参加した。支援を受けて保育補助員として働き始めた内田佳納子さん(57)が講演。「センターの面接対策は絶対に受けたほうが良い」と実体験をもとに助言していた。

 商社を定年退職した男性(60)は、

「私は雇用延長の話もあったが、新しいことに取り組むなら早いほうが良いと思い参加した。介護職などに興味をもっています」

 と話していた。

 こういった組織や団体は、大阪や名古屋、福岡など大都市を中心にある。セミナーなどは基本的に無料なので、利用しない手はない。

週刊朝日  2017年8月18-25号