籠池氏が見せた100万円は札束に見えるが…(筆者撮影)
籠池氏が見せた100万円は札束に見えるが…(筆者撮影)
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 まさに、神出鬼没だ。学校法人森友学園の籠池泰典前理事長が6月21日夜、東京・神田で安倍昭恵首相夫人が営む居酒屋「UZU」(ウズ)を突如、訪問した。目的は、籠池氏側が昭恵氏から寄付されたと主張する100万円を昭恵氏に返却することだったという。

 籠池氏は報道陣にこう語った。

「もう我々は学校建設できないから、いただいてもいかんと。僕も検察に国策捜査されているから、早めにもってこないと機会がなくなってしまうから、今日持ってこさせてもらった」

 19日に大阪地検特捜部の家宅捜索を受けたことが今回の行動のきっかけだという。

 だが、目当ての昭恵氏はおらず、籠池氏の来訪に営業中の店内は混乱した模様。

「やめろよ!何やってんだよ!」「他のお客様にご迷惑ですから!」などの大声が飛び交った後、数分後に籠池氏は退散。寄付金の返却は拒否されたという。

「昭恵夫人がいらっしゃらなくても、従業員が渡してくれるかなと思った。(店員は)迷惑な話だということでしたけどね。ここは安倍事務所とは関係ないんで、ということで、取り次ぐのも断られた。せっかくお腹も減ってるからビールでも飲んで帰ろうと思ってたんですけど。残念ですわ」(籠池氏)

 昭恵氏には3日ほど前に「100万円お返ししますんで」などと籠池夫妻がそれぞれメールしたが、返事はなかったという。籠池氏は返却にこだわった理由をこう語った。

「(昭恵氏は)寄付したことがないという風におっしゃっているけど、僕のほうはもらってるからね。だからお返しせなあかんと。他の(寄付者の)方々はきちっと名前も出てるから、もうお返しせんでもいいわけですから。きちっと、ここだけお返ししとかないかん思ったんですよ」

籠池氏は持参した「100万円」を報道陣に示したが、ハリボテに見える……。

「札束の真ん中、白い紙のように見えますが」という記者の突っ込みに「それは違う、きちんと渡しておかないと」と飄々とした態度で語った。

 そしてタクシーで去って行った籠池氏だが、これが最後の籠池砲となるのか……。(本誌・小泉耕平)

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