新年を迎える天皇ご一家=宮内庁提供
新年を迎える天皇ご一家=宮内庁提供

 天皇陛下の退位を実現する特例法が6月9日に成立。皇室が大きく変わろうとしている。そんな新皇室にまつわる疑問をQ&A形式にまとめた。

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Q:両陛下の呼び名は
A:天皇陛下の退位に向けた特例法は6月16日に公布。第3条で、天皇陛下の退位後の称号は「上皇」、4条で皇后美智子さまは「上皇后」と定められた。

Q:お住まいはどちらに
A:4月に美智子さまから電話を受けた、陛下の同級生・明石元紹さんによると「リタイアしたら昔長くいたところ(東宮御所)で陛下と2人で暮らすことになるでしょう」とおっしゃったという。

 東宮御所は両陛下が結婚した翌1960年に建て、33年間暮らした「思い出の場所」。改修工事の間は、神奈川県の葉山御用邸などに仮住まいするとみられる。

Q:退位後のプランは
A:明石さんによれば、美智子さまは皇室の古式馬術打毬(だきゅう)のルールを伝えていきたいとおっしゃったという。

 美智子さまの講演録の出版を手がけた絵本編集者・末盛千枝子さんは、2月ごろ、美智子さまと電話でお話をした。

「お読みになりたい外国の書物があるそうです」

「全国植樹祭」など両陛下の公務は新天皇、皇后へ引き継がれるが、「おふたりを慕ってのお出まし願いもあるでしょう。どうご判断されるのか」(皇室ジャーナリスト・神田秀一氏)

Q:なぜ秋篠宮さまは「皇太子」の呼び名にならないのか
A:過去、次の天皇となる皇族は続柄にかかわらず「皇太子」の称号が使われ、天皇の弟は「皇太弟」と呼ばれた。

 しかし有識者会議では、「秋篠宮」は30年近く、秋篠宮さま自身も愛着をもった称号だとして尊重した。宮号は残し、皇室典範にも出てくる「皇嗣」という新しい称号を作り、秋篠宮さまを「皇嗣殿下」とする案を提案した。

Q:秋篠宮さまは天皇に即位するのか
A:皇太子さまと秋篠宮さまは6歳違い。宮内庁OBの山下晋司氏が言う。「来年末に即位すれば新天皇は58歳。30年ご活動なさると88歳となり、秋篠宮殿下も82歳。いまの天皇陛下は、ご高齢による退位ですが、秋篠宮殿下は、どうなさるのでしょう」

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