この発言だけ聞いていると、小池氏には築地市場にもかなり心が残っているように受け取れる。会の終了後、報道陣に「移転の判断は来週とも言われていますが」と聞かれた小池氏は、「来週って誰が言いました?」とピシャリ。

 今後の判断時期については、「材料は出そろいつつあると思いますが、こうやって直接話を聞くことも極めて重要。基本方針を定めていけるようにしたいと思っています」と語るにとどめた。

 しかし、会に参加した水産仲卸業者からは、小池氏への不満も噴出した。

「他の知事と違って現地まで来て意見を聞いてくれたことはうれしいけれど、今日の会は事前に都側が決めた出席者しか会場に入れず、発言者も都が事前に決めた人のみ。移転賛成派の意見が多くなるようにコントロールされているように感じた。会自体が知事のPRに使われたようにも思える。報道されている案が本当なら結局、築地の市場はなくなってしまうわけで、まったく評価できない」(70代の仲卸業者の女性)

 果たして、三方丸く収まる答えに辿りつけるのか。(本誌・小泉耕平)

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