プロゴルファーの丸山茂樹氏が1日で44ホールを戦った、全米オープン予選を語る。

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 いやあ、調子のいい証拠でしょうね。運気がありますよ。3試合連続優勝は逃した宮里優作(36)ですが、「全米オープン最終予選」(5月22日、兵庫・小野GC)では、最後の1枠に滑り込み、2年連続2度目の出場を決めました。

 この最終予選ってのは、なかなかキツいんです。1日で36ホール回りますから。今回は通算11アンダーで単独トップの小平智(27)がまず初出場を決めました。残り3枠を通算7アンダーの2位に入った6人が争うプレーオフに持ち込まれました。36ホール回った後ですからね。これはもう、忍耐力の戦いでもあります。

 優作はプレーオフ1ホール目で池に入れてしまい、ボギー。でもパーは2人だけで、ラッキーにも1枠が残った。4人で最後の1枠を争い、プレーオフ8ホール目でのバーディーで、優作が勝ち抜けたんです。1日で44ホールですからね。終わったのは日没寸前で、優作は「44ホールなんて、二度とやりたくない」とコメントしてますけど、よく分かりますよ。

 池田勇太(31)と谷原秀人(38)は世界ランキング60位以内の資格で全米オープン出場を決めました。優作の次のターゲットは、勇太と谷原のようにワールドランクでいろんな試合に出られるようになることですね。それが一番いいアメリカへの挑戦の仕方だと思います。

「全米女子オープン最終予選」(5月22日、滋賀・日野GC)では、残る1枠を巡って4人のプレーオフになり、川岸史果(22)が最後の椅子に座りました。世界ランクも3カ月で405人を抜き、87位と上げてきました。そりゃ今シーズンすでにトップ10が5回ですからね。でも、早くツアーで勝った方がいいですね。「また勝てないんじゃないか」なんて思うようになっちゃいますから。次に優勝争いをするときは、勝負かけてほしいです。

 
 さて5月20日は「丸山茂樹ジュニアファンデーション親子ショートコースゴルフ大会inハイランドセンター」で盛り上がってきましたよ!

 小学校1~4年の男女28人が参加してくれまして、親御さんがキャディー役になって、6ホールを2周する12ホールで争いました。子どもたちはピュアですから、うまくいかなくて「こんなはずじゃなかった」って泣き出す子もいましたね。

 28人中いちばんスコアのよかったのは、2年生の部で優勝した根本悠誠(ゆうま)君。去年7月の「IMGA世界ジュニア選手権」で勝ってますからね、さすがでした。アドレスの立ち方とか、雰囲気の出し方とか、もう見た瞬間に「この子は違うな」って分かりました。球のとらえ方も上手だったな。

 今回は内藤雄士・ツアープロコーチ(47)に加え、日本女子ツアー通算18勝の服部道子さん(48)も参加してくれました。服部さんは16歳で全米女子アマチュア選手権に勝った方で、僕らがジュニア世代のころは「日本のクイーン」みたいな感じでしたね。アメリカの大学にも行かれてましたから、ジュニア世代との交流を大事にするマインドを持っていらっしゃって、明るく気持ちよく盛り上げてくださいました。ありがとうございました!

週刊朝日  2017年6月9日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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