元衆議院議員 杉村太蔵(すぎむら・たいぞう)/1979年、北海道旭川市生まれ。筑波大学中退。2005年9月の総選挙で最年少当選を果たす。厚生労働委員会、決算行政監視委員会に所属し、労働問題を専門に、特にニート・フリーター問題など若年者雇用の環境改善に尽力した。主な出演番組に「サンデージャポン」(TBS系)、「幸せ!ボンビーガール」(日本テレビ系)、「マーケットプレス」(ラジオNIKKEI)など、著書に『バカでも資産1億円』(小学館)がある(撮影/山本倫子)
元衆議院議員 杉村太蔵(すぎむら・たいぞう)/1979年、北海道旭川市生まれ。筑波大学中退。2005年9月の総選挙で最年少当選を果たす。厚生労働委員会、決算行政監視委員会に所属し、労働問題を専門に、特にニート・フリーター問題など若年者雇用の環境改善に尽力した。主な出演番組に「サンデージャポン」(TBS系)、「幸せ!ボンビーガール」(日本テレビ系)、「マーケットプレス」(ラジオNIKKEI)など、著書に『バカでも資産1億円』(小学館)がある(撮影/山本倫子)

 小泉チルドレンとして注目を浴びてから10年以上。現在はタレントとして活躍する杉村太蔵さんが、作家・林真理子さんとの対談で議員時代からタレントになるまでを振り返りました。

*  *  *

林:あのときの自民党は破竹の勢いでしたからね。「小泉チルドレン」と言われた同期の方には、佐藤ゆかりさん、片山さつきさん、井脇ノブ子さん、猪口邦子さん……。

杉村:いまの防衛大臣の稲田朋美さんもそうですよ。

林:濃いキャラの女性が集まってますね。杉村さんの名前を一躍有名にしたのは、「グリーン車乗り放題」「料亭に行ける」「BMWが買える」という発言ですけど……、ほんと正直ですよね(笑)。

杉村:いやー、あんなに問題になるとは思わなかったですね。竹下政権で消費税が導入されたときよりも、森政権で支持率が10%を切ったときよりも、僕の当選のほうが苦情が多かったっていうんですよ(笑)。3本だった苦情専用の電話回線が僕の一件で7本に増設されたという都市伝説があるくらいです。

林:アハハハ、ほんとですか。

杉村:武部(勤)幹事長(当時)が怒りましてねえ。僕を見て怒鳴る怒鳴る。大人があんなに怒ってるの初めて見ましたよ。「コラーッ」て。

林:いまだったらパワハラになっちゃうかもしれない。

杉村:いや、ならないですよ。僕が悪いんですから。半年ぐらいたってメディアの報道も落ち着いたころに武部先生から電話があって、「ちょっと来い」と。恐る恐る行ったら、「頑張ってるか」「頑張ってます」「ところで、料亭に行ったか」「行ってません」「行ってみたいか」って聞くんですよ。これ、正解はどっちだろうと思いましてね。悩みましたが意を決して「行ってみたいです」と言ったら、「今晩俺が連れてってやる」。だから私を初めて料亭に連れてってくれたのは、武部先生です。

林:まあ、いい人じゃないですか。小泉さんとはどうだったんですか。

杉村:よく聞かれるんですが、日産自動車の新入社員がカルロス・ゴーン会長に会う機会がないのと同じです。2人きりで話したのは1回だけ。たまたま国会の中庭を散歩されている小泉総理にばったり出くわしまして、「小泉総理、おかげさまで先日子どもが生まれました」「おっ、いいことだ。いいか、子どもはハイハイさせろ。ハイハイさせると丈夫になる。ハイハイだ、ハイハイだ」とおっしゃって、手でハイハイの格好をしながら歩いていかれました。

林:目に浮かびます(笑)。杉村さんってオジサンにかわいがられるキャラだと思う。おじさんたちをキュンとさせる何かがある。

杉村:最近つくづく思うんです。「バカでよかった」と。人の意見を素直に聞ける。20代30代はとにかく吸収しようと思っています。

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