“一生食べられない”はかわいそう 患者家族を救ったのは歯科医だった! (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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“一生食べられない”はかわいそう 患者家族を救ったのは歯科医だった!

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口から食べられるようになったことで回復が加速し、今では元のように仕事をこなす畠山さん(上)。専門家の支援によって食べる力を取り戻した成功例の一つだ

口から食べられるようになったことで回復が加速し、今では元のように仕事をこなす畠山さん(上)。専門家の支援によって食べる力を取り戻した成功例の一つだ

 肺炎や骨折など、誰にも起こりうる病気やケガをきっかけに、のみ込む力が落ち、以降医師に食べることを禁じられる。高齢者に限った問題ではなく、元気なはずの50~60代が脳梗塞などを機にそうした状態に陥る場合もある。食べる力を取り戻す専門家の取り組みを取材した。

「一生口から食べられる可能性はありません」

 東京都足立区で中古車販売の会社を経営している畠山博光さん(66)は9年前の2008年12月、主治医の言葉に奈落の底に突き落とされた気分になった。

 畠山さんが脳幹梗塞を発症したのは、その年の11月のこと。後遺症で嚥下障害となり、食べ物をうまくのみ込むことができなくなった。まだ58歳で、「発症前は毎日仕事が充実していて、病気になることなんて想像すらしていなかった」という。

 胃に穴を開けた胃ろうを通して、生きていくのに必要な栄養を満たす日々。意識はしっかりとしているのに、起き上がることもできず、ただ病院の天井をじっと見ているだけでこんな生活があと何十年続くのか、不安は募るばかりだった。

「口から食べたら、食べ物が間違って肺に入ってしまい、誤嚥性肺炎になる可能性があり、命をおとす危険がある」

 これが主治医の説明だった。患者の命と安全を最優先する医師としては当然の判断なのかもしれないが、娘の由美子さんは納得できなかった。

「たとえ、命にかかわる病気になる可能性があったとしても、まだ父は50代。このまま一生食べられず、寝たきりなんて、あまりにもかわいそうすぎます」

 由美子さんは父の状態を改善させたいという一心で、方法を探した。「主治医が駄目と言っているのに、家族が覆すことができるのだろうか」と、何度も不安がよぎったが、由美子さんはインターネットを丹念に調べた。地元の歯科医師会にたどり着き、大学病院を訪問することを勧められた。意外なことに、食べるサポートをしてくれる医療者は歯科医師だったのだ。


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