昔から腑に落ちない…春風亭一之輔が「シード権」を落語風にお届け! (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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昔から腑に落ちない…春風亭一之輔が「シード権」を落語風にお届け!

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

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トーナメントの「シード権」が昔から腑に落ちない(※写真はイメージ)

トーナメントの「シード権」が昔から腑に落ちない(※写真はイメージ)

 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は、「トーナメント」。

*  *  *
 トーナメントの「シード権」が昔から腑に落ちない。

 小学生の時、高校野球の千葉大会のトーナメント表を見ていて、1回戦を戦わない学校が数校あることに気づいた。はてな? 父親に「これは何か?」と問えば「シード校だ」と言う。

私「シード校って?」
父「強い学校だ」
私「強い学校ってわかるの?」
父「過去の成績をみて決めるんだ。ここは強いなって」
私「誰が決めるの?」
父「……甲子園の偉い人が決めるんだろう」
私「弱い学校もその人が決めるの?」
父「……まぁ、そんなとこだな」
私「強い学校は何で戦う回数が少ないの? 強いんだからいっぱい戦えばいいじゃん」
父「強いんだからわざわざ何度も弱い学校と戦う必要がない、ということだ」
私「なんで?」
父「どうせ1回戦は勝つんだからな。特別に2回戦からやらせてもらえるんだよ」
私「何でわかるの?」
父「さっき言ったろう! 何度も戦って強いってわかってるんだ、シード校は!」
私「強くて必ず勝つの?」
父「そうだよ! 弱いところとやってもしょうがないのっ!」
私「……だったら強い学校だけでやればいいじゃん! どうせ負ける学校は抜きにしてトーナメントすれば!?」
父「そんなのダメだろ」
私「なんで?」
父「どの学校も参加する権利があるんだよ!」
私「……どうせ負けるのになんで参加するの?」
父「結果はわからないだろ!?」
私「……え?」
父「やらなきゃわからないだろ。勝つか負けるかなんてっ!!」
私「『どうせ負ける』って言ったじゃん、さっき!」
父「勝つかもしれないんだよ!世の中に『絶対』はない!!」
私「『負ける』って言ったよ!」
父「『絶対』とは言ってないっ!! 勝負はやってみなけりゃわからないんだ!!……だからお前も勉強を頑張れっ!!」


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