森友学園問題に続いて、南スーダンPKO派遣部隊が作成した日報の電子データが、廃棄されたはずの陸上自衛隊でも保存されていたことが判明し、稲田朋美防衛相が崖っぷちだ。野党の攻勢にさらされるばかりか、ある自民党幹部も突き放す。
「もはや、稲田辞任はやむを得ないかもしれない。森友で辞めるのはみっともないが、日報の件ならばまだ格好もつく」
稲田氏はこれまで弁護士として森友学園の案件を受任したことはないと言い切ってきた。
だが2004年12月、森友学園が大阪地裁で起こした民事訴訟の第1回口頭弁論の出廷記録によって、ウソが明らかになる。稲田氏は森友側の代理人として出廷していたのだ。3月14日、参院予算委員会では一転して認めざるを得なかった。
野党議員から「虚偽を認めて責任を取るべきではないか」と畳みかけられると「記憶に基づいた答弁であって、虚偽の答弁をしたという認識はない」と釈明した。この問題を追及してきた小川敏夫参院議員(民進)が語る。
「籠池氏は印象の強い人ですから、覚えているはずですよ。イメージが悪化するので否定し続けたのでしょうが、やっぱり国会でウソをついたらダメですよ」
参院予算委員会では、稲田氏は父親が籠池氏と親しかったことも認めている。
「父は保守的な活動をする教育者だった。籠池氏について語っているのを聞いたことがある」
稲田氏の父親、椿原泰夫氏(故人)は福井県や京都府で高校教諭・校長を務めた後、「頑張れ日本!全国行動委員会」という団体の京都本部代表を務めるなど関西の保守運動家の間で有名な存在だった。大阪でも右派系市民団体の幹部に就いており、その団体に籠池氏が所属していたという経緯もあった。両者の蜜月ぶりがうかがえるのだ。
また、稲田氏が特別顧問を務める自衛隊の協力団体「関西防衛を支える会」にも籠池氏は入会していた。
しかし、稲田氏は「10年前に籠池氏から大変失礼なことをされて関係を断っている」とも語っている。