配偶者控除150万円でも大きな壁 約5割は「働き方は変わらない」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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配偶者控除150万円でも大きな壁 約5割は「働き方は変わらない」

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週刊朝日#働き方
スーパーでレジ打ちをするパート従業員ら (c)朝日新聞社

スーパーでレジ打ちをするパート従業員ら (c)朝日新聞社

 配偶者控除が見直されるというが、わが家の家計にはどう影響するの? そう思う読者も多いはず。そこで、2018年から始まる新制度で、家計の手取りがどう変わるかを試算した。損する家庭、得する家庭もあれば、得しそうなのに損する家庭も出てきそうだ。

配偶者控除とは、税金を計算する際に収入から差し引ける額。控除が増えると支払う税金を少なくでき、減ると税金が高くなる。

 今回の見直しで“損する”のは、増税となる高所得層の家庭。夫の年収が1120万円超だと段階的に控除が減り、1220万円超だとゼロに。夫の年収1500万円の専業主婦世帯の場合、年15.8万円の負担増になる。約100万世帯が増税になるという。

 一方で、税金が減って“得する”のは約300万あるパート世帯。38万円の控除をフルに受けられる妻の年収が、今の103万円以下から150万円以下に変わる。控除額は妻の年収に応じて段階的に減るが、103万円の基準を意識して労働時間を「調整」する必要が薄れる。長く働きやすくなるはずだ。

 ただ、社会保険労務士の北村庄吾氏は「150万円に引き上げても、女性が働く時間を実際に増やすには、いくつかの“壁”が残っている」と指摘する。

 まず大きな壁としてあげるのは、夫の企業から支給される家族手当の存在だ。

 厚生労働省の2015年の「賃金事情等総合調査」によると、回答した大手企業の8割超が家族手当を支給する。配偶者の有無や子の数に応じて計算され、妻の年収103万円を基準とする企業が多い。妻の分は月1万7千円ほどが一般的だ。

 国が控除の基準を変えるのに合わせ、企業はどう手当を見直すか。配偶者分の手当をやめたり、支給基準を変えたりすることは従業員の処遇にかかわるため、簡単にいかない。一方で、企業が動かないと、働き方も変わらない。自民・公明両党も税制改正大綱で「労使の真摯な話し合いの下、就業調整問題を解消する観点からの見直しを行うことを強く要請する」とした。

 妻が働く時間を増やしたり、家族手当が支給されなくなったりすると、世帯の手取りはどう変わるのか。北村氏に試算してもらった。

 今の年収は、夫500万円、妻106万円とする。控除の見直しで、妻が稼ぎを120万円まで14万円分増やしても、夫の家族手当が支給されなくなると世帯の手取りは約4万円減る。減税対象の家庭なのに、手取りでみると“得しそうなのに損する”ことになる。


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