春風亭一之輔が体験した“恋愛ドラマ”的展開とは? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

春風亭一之輔が体験した“恋愛ドラマ”的展開とは?

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

このエントリーをはてなブックマークに追加

春風亭一之輔が体験した“恋愛ドラマ”的展開とは?(※写真はイメージ)

春風亭一之輔が体験した“恋愛ドラマ”的展開とは?(※写真はイメージ)

 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は、「トリ」。

*  *  *
 噺家は「真打ち」に出世すると、寄席で「トリ」をとることができる。「主任」と書いて「トリ」と読ませる。その興行を任せられるわけだ。

 4年前に真打ちになって、初めて寄席でトリをとったのが平成24年3月21日の上野鈴本演芸場・夜の部。真打ち披露興行の大初日だ。

 舞台袖に私の師匠・一朝、当時の落語協会会長・柳家小三治師匠、他たくさんの先輩が私の高座をご覧になっていて、とにかくやりづらかった。「先に打ち上げに行っててくれよ……」と思いながらの40分。あとで、

「お前の師匠が笑ってる横で、小三治師匠がムスッとしていたよ(笑)」

 と、お節介な先輩が教えてくれた。弟子の噺を聴いて笑えるうちの師匠は、素敵な人だ。

 その2週間後、4月3日。新宿末廣亭・夜の部。その日は「爆弾低気圧がくるので夜間の外出は控えるように!」との気象庁からの勧告。お爺さんの出演者が2人、「わしゃ、行かん!」と来なかった。

 しかし客席はほぼ満員。こういう時はテンションが高い。暴風雨が末廣亭の屋根を叩きつけるなか「らくだ」。はねて表に出ると雨は止み、お月さんがポッカリ浮かんでいる。

「圓歌師匠、木久扇師匠……綺麗な月夜ですよ」

 心の中でそっとつぶやいた。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい