トヨタ自動車の豊田章男社長 (c)朝日新聞社
トヨタ自動車の豊田章男社長 (c)朝日新聞社

慶応のおぼっちゃまに、現実を突き付けろ!」「都の西北って、つまり田舎だと思う」──。ネット上でこんな前哨戦が始まった、秋の風物詩のラグビー早慶戦。熱戦に合わせ、本誌は両校出身者がトップの企業業績を比べ、「社長の早慶戦」を企画した。勝利の女神がほほえんだのは。

 東証1部上場約2千社のうち、早稲田OBが社長の企業は122社で、慶応OBの企業は約1.6倍の190社。うち3月期決算企業は、92社と144社ある。

 本誌は東京商工リサーチの協力を得て、出そろった各社の9月中間決算を「オール早稲田」「オール慶応」に分けて集計した。

 オール慶応の売上高は約42兆円で、約14兆円のオール早稲田の3倍近い。純利益でも約4倍。両陣営ともに円高の影響などで減収減益だったが、慶応は早大に規模の面で圧勝した。

 慶応の“勝利”の立役者は、豊田章男社長(1979年慶大法)率いるトヨタ自動車。円高の影響を大きく受けたとはいえ、オール慶応の売上高の3割、純利益の5割近くを占める存在だった。

 ただ、トヨタを除いても、オール慶応の売上高は約29兆円、純利益は約1兆2千億円といずれも早大を上回る。産業界での慶応陣営の層の厚みを感じる。

 それでは、業種ごとに、代表的な早慶社長の企業の業績を比較していこう。

 トヨタに対抗するのは、益子修社長(72年早大政経)の三菱自動車。燃費不正問題を受け、2千億円超の過去最悪の赤字を記録し、オール早稲田の足を引っ張った。自動車業界は、慶応陣営の圧勝といえそうだ。

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