「私はここに来る前、アルジェリアで仕事をし、3年間で世界ランキングを52位から17位に上げた。日本代表でもそれと同じことをできると確信している」

 現実をみると、就任約1年半で、日本の世界ランキングは53位から56位に後退している。

 見ていてハラハラドキドキの最終予選はおもしろい。ただ、02年の日韓W杯後の過去3大会は、「絶対に負けられない」とメディアがいくらあおっても、日本がW杯出場できない事態は考えられない余裕があった。

 今の戦いぶりでは、本大会にたどり着けば御の字。気が付けば予選敗退も不思議ではない。W杯初出場をめざしていた20年前のころに逆戻りしてしまった。

「ピッチ内外で監督からの要望が多く、細かい」とある選手はこぼす。ここへきて、選手と監督の関係は緊張感が増している。思わぬ好結果を生むこともある一方で、崩壊と隣り合わせとも言える。

 酷評続きの指揮官は、この危機的状況を凌ぐ術を持っているだろうか。

週刊朝日 2016年10月28日号