新作「ドッグ・イート・ドッグ(原題)」は来年公開。ニコラス・ケイジ演じる主人公は刑務所で出会った仲間とともに裏家業で生計を立てる。ある日、誤って犯した殺人からその運命は大きく狂い始める (写真はイメージ)
新作「ドッグ・イート・ドッグ(原題)」は来年公開。ニコラス・ケイジ演じる主人公は刑務所で出会った仲間とともに裏家業で生計を立てる。ある日、誤って犯した殺人からその運命は大きく狂い始める (写真はイメージ)

 個性的な演技、話題の絶えない私生活、ハリウッド映画界の名門、コッポラ家出身者である俳優ニコラス・ケイジの存在は強烈だ。カンヌ映画祭の閉幕作品にも選ばれた新作「ドッグ・イート・ドッグ(原題)」(来年公開)の魅力についてケイジがざっくばらんに語ってくれた。

──あなたは日本語も話されて、日本映画の大ファンだそうですね。

「そうなんだよ。昨日もアメリカからフランスへ来る飛行機の中で『Titan』(進撃の巨人)という邦画を見たんだ。アニメだけど、すごくワイルドで、見ていてトリップしちゃったよ」

──他にも好きな映画はありますか?

「『リング』もすごく好きなんだ。日本映画にぜひ出演してみたいけれど、まだ実現していないんだ。そもそも黒澤明監督の作品が好きになって邦画に興味が出たんだけれど。邦画の話をしたら止まらなくなるんだ! 今度、時間があるときに、じっくり邦画について話したいよ」

──時差ボケは大変ですか?

「全然。インタビューを受けるのも、好きな映画なら楽しいんだ。質問に答えるのもずっと簡単だからね」

──あなたは過去、デヴィッド・リンチ監督の「ワイルド・アット・ハート」に主演し、カンヌ映画祭でこの作品はパルムドール(最高賞)も受賞してますね。

「正解だよ。あのときは思い出深い体験だったよ。『ワイルド・アット・ハート』に関しては、素晴らしい思い出でいっぱいだった。またカンヌに来られて嬉しいね」

──リンチをはじめスコセッシやスピルバーグなど米監督も最初はここヨーロッパで認められましたが、ヨーロッパのほうが先駆的な映画への理解が深いと感じますか?

「どうだろうね。映画の理解に関してどこの国がどう、という見解はあまり持っていないけれど。昨晩の上映会の反応はとてもよかったということは確かだよ」

──新作「ドッグ・イート・ドッグ」の監督、ポール・シュレイダーはマーティン・スコセッシ監督の名作「タクシードライバー」を執筆した名脚本家ですね。数年前、あなたが主演した「ラスト・リベンジ」(Dying of the Light)を自分の手で監修できなかったシュレイダー監督が再度、あなたと映画を作りたいと熱望し、実現したそうですね。

次のページ