「歌詞とメロディーとハーモニーが、複雑に連動して、“こういう歌もあるんだ!”と(笑)。歌う上で何より難しかったのが、歌詞の解釈でした。歌は、自分の思いを乗せられなければ歌えない。だから、持ち歌が100曲を超えた今でも、私たちなりに言葉の意味を咀嚼することに、すごく時間をかけています」

 デビューして1年間は、地元の富山からレコーディングに通っていたのが、メンバー最年少のHikaruさん(同左)だ。小さい頃からJ-POPが好きで、様々なボーカルオーディションに挑戦し、晴れてカラフィナのメンバーとなった。

「私たちの歌は、3人の個性が違うからこそ、多彩なハーモニーが生まれるんだと思います。一人で歌うよりも、楽曲の世界が何倍にも広がる。一人ではなく、3人でやりたいことがたくさんあって、同じ目標を持って進んでいけることは幸せです」

“難解なハーモニーをさらりと歌う”ことにグループとしてのプライドを持っている。実は、2009年から3年ほどは、歌に関して血のにじむような修練を積んでいたらしい。でも、それについて彼女たちは、あまり多くを語ろうとしない。

「苦労や努力を語るのは、私たちらしくない。あくまで爽やかに、クールでいたいんです」(Keikoさん)

 NHK「歴史秘話ヒストリア」のテーマを担当して以来、幅広い世代がライブに足を運ぶようになった。“世界で認められた日本のハーモニー”が9月、日本武道館に響き渡る。

週刊朝日  2016年9月2日号