お家芸復活!(※イメージ)
お家芸復活!(※イメージ)

 ロンドンで屈辱の男子「金0」に沈んだ日本の柔道が、復活の狼煙(のろし)を上げた。

 8月10日までに、男子73キロ級の大野将平、男子90キロ級のベイカー茉秋(ましゅう)、そして女子70キロ級の田知本遥の3人が金メダルを獲得。

 復活の立役者は、ロンドン五輪後の2012年11月に就任した井上康生代表監督(38)。現役時代に自身が体現した「一本をとる柔道」を選手にたたき込み、服装や減量方法など、あらゆる面で改革を進めた。「覚悟を持て」と選手を鼓舞した。

 ロンドン五輪100キロ級代表だった穴井隆将氏(32)は勝因をこう分析する。

「経験を踏まえた上での意見ですが、彼らは覚悟ができていた」

 ところで井上監督と言えば、妻でタレントの東原亜希の「デスブログ」も有名。「鎌倉の鶴岡八幡宮に行ってきた」と書いた後に同八幡宮の境内にある樹齢800年以上の古木が倒壊したり、ブログで名前が挙がったスポーツチームや選手が不調になるなど、書かれた人やものに災難が降りかかるという物騒なジンクスで知られているのだ。

 噂を意識してか、五輪期間中、東原のブログには夫や柔道の話題は一切なし。大野が井上監督となって初の五輪金メダルを獲得した直後の9日午後も、様々な思いが込み上げていたことは想像に難くないが、「コンビニで冷凍ミカンを買った」という話題だけだった。健気な努力も、日本の快進撃を支えているかも。(本誌・小泉耕平、鳴澤 大/栗原正夫、渡辺勘郎)

週刊朝日  2016年8月26日号