「私が浴びるように聴いてきたのが、60年代のロックなんです。あの頃の音楽は、何十年経っても残るし、何十年経っても人の心に届く。私たちも、何十年先も残る音楽を作りたい」

 亀本さん曰く、松尾さんは「昔から謎の自信だけはすごい」らしいが、多くのクリエーターが注目する松尾さんの個性的な歌声に関して、本人は、「全く自信がなかった」とか。

「ソングライティングには自信があったけれど、自分の声は嫌いでした。男の子に間違えられたり、合唱の時も全然透き通った声が出なかったり……。でも、中2のとき、ビートルズの『HELP!』を初めて耳にして、ジョン・レノンのあのかれたような歪んだ声が、どこか自分と似ている気がして、『このままでいいんだ』と思えたんです」(松尾さん)

 ロックンロールを引っさげて、メジャーシーンに打って出ること。大好きなロックンロールを、もっともっと幅広い世代に浸透させていくこと。それが今の2人の野望だ。

週刊朝日 2016年7月22日号