「小池さんの存在を嫌がる自民党幹部が見せる、小池さんを候補者から引きずり下ろしたいという態度は、世論から女性蔑視、軽視と受け取られるのではないか。党が描く政策のイメージと逆行するのは避けたいはずです。おもしろい現象が起きていて、浮足立った女性議員が『小池さんを応援したい』と声を上げている」

 都連のある幹部もお手上げの様子。

「小池さんは知名度もあるし、有力な候補者となるのだろう。新しい候補を担ぐのであれば、小池さんより実力のある人物でなくてはならないが……」

 2代続けて「政治と金」で都政トップが失脚した事態に懲りた党都連は、行政実務型の官僚の擁立がふさわしい、と候補者選定に腐心してきた。小池氏が出馬会見を開いた日に、石原氏がアイドルグループ「嵐」の櫻井翔の父親で前総務事務次官の櫻井俊氏に要請して固辞されたといい、次の一手として総務相を経験した増田寛也元岩手県知事に白羽の矢を立てる慌てぶりだ。「これまで、知事経験者が都知事選に出馬して当選した実績はなく、『他の自治体の首長が、なんで東京に来るの?』と、都民に反感が芽生える」(同幹部)

 候補者の一本化は図れるか。「小池の乱」の行方やいかに。

週刊朝日  2016年7月15日号