田原総一朗「オバマ大統領が広島で語らなかった『不都合な現実』」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「オバマ大統領が広島で語らなかった『不都合な現実』」

連載「ギロン堂」

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オバマ大統領の核兵器廃絶への強い思いは…(※イメージ)

オバマ大統領の核兵器廃絶への強い思いは…(※イメージ)

 現職の米大統領として初めて広島訪問したことで大きな話題となったオバマ氏。しかし、核についての言及が少なかったことも指摘されている。ジャーナリストの田原総一朗氏がその理由をこう説明する。

*  *  *
 オバマ米大統領の広島訪問、そして5分間といわれていた予定をはるかに超えた17分間にわたる力強い演説、しかも演説の後に被爆者たちと言葉を交わし、一人を抱き寄せさえしたこと、さらに予定にはなかった、原爆資料館を視察したことなどで、日本人の大多数、そして世界の人々が、オバマ大統領の核兵器廃絶への強い思いを感じたはずである。

「なぜ私たちはここ、広島を訪れるのか。私たちはそう遠くない過去に解き放たれた恐ろしい力に思いをはせるために訪れるのです。10万人を超す日本人の男女、そして子どもたち、何千人もの朝鮮人、十数人の米国人捕虜を含む死者を悼むために訪れるのです」

「彼らの魂が私たちに語りかけます。私たちに内省し、私たちが何者なのか、これからどのような存在になりえるのかをよく考えるように求めているのです」

 いくつかの新聞は、71年前に米国が原爆投下したことへの謝罪や、原爆投下の是非には言及しなかった、と指摘したが、オバマ大統領は原爆資料館の視察後、芳名録に「共に平和を広め、核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」と記帳しているし、被爆者の一人を抱き寄せている。明らかに、原爆投下への謝罪を示しているのだといえる。

「この空に立ち上ったキノコ雲のイメージの中で最も、私たちは人間性の中にある根本的な矛盾を突きつけられます。私たちを人類たらしめているもの、私たちの考えや想像力、言語、道具をつくる能力、自然を自らと区別して自らの意思のために変化させる能力といったものこそが、とてつもない破壊能力を私たち自身にもたらすのです」


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