田原総一朗「『角栄ブーム』の陰にあるハト派政治家への渇望」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「『角栄ブーム』の陰にあるハト派政治家への渇望」

連載「ギロン堂」

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なんとかしてハト派の手がかりをつかみたい?(※イメージ)

なんとかしてハト派の手がかりをつかみたい?(※イメージ)

 数多くの“田中角栄本”が書店に並び、「角栄ブーム」が起きている。ジャーナリストの田原総一朗氏は、護憲派政治家への渇望があるのではと分析する。

*  *  *
 いま、どの書店にも田中角栄について書かれた本がやたらに目につく。「角栄ブーム」なのである。

 一つには、田中が他の政治家にない、どでかい構想力を持っていたことが見直されているのだ。

 田中は、1960年代の末に『都市政策大綱』という本をまとめた。

 その前文で、「都市の主人は工業や機械ではなくて、人間そのものである」とうたった。そして「この都市政策は日本列島全体を改造して、高能率で均衡のとれた、一つの広域都市圏に発展させる」と述べていた。

 日本列島を一つの広域都市圏にする。そのためには、北海道から九州まで、どこからどこへでも日帰りで往復できなくてはならない(当時は、沖縄は返還されていなかった)。そこで田中は、「1日生活圏」「1日経済圏」という言葉を提唱した。

 当時、東京や名古屋、大阪など、太平洋側の大都市の過密と、日本海側や内陸部の過疎が深刻な問題となっていた。そこで田中は、日本列島の大構造改革をしようとしたのだ。

 田中は日本列島を一つの広域都市圏にして、さきの条件が達成できれば、第2次、第3次産業を全国に配置することができ、日本海側や内陸部の過疎化に歯止めがかかると考えたのである。

 そのためには北海道から九州まで、それも太平洋側にも日本海側にも新幹線を通し、全国に高速道路を張り巡らせる。そして、第2、第3の国際空港と各地の地方空港を建設し、北海道、本州、四国、九州の四つの島をトンネルか橋で結ぶ。まさに現在の日本の構造を、40年以上前に構想していたのである。


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