苦しい弁明に終始した舛添氏 (c)朝日新聞社
苦しい弁明に終始した舛添氏 (c)朝日新聞社

 人口1350万人に上る首都・東京の顔としては、どうにも性根がみみっちいのである。正月の家族旅行37万円、自宅近くの天ぷら店やイタリア料理店で25万円、湯河原の別荘近くの回転寿司に5万円──。

 私的に政治資金を流用していたとの疑惑を、5月11日発売の週刊文春に報じられた舛添要一知事(67)。

 13日の定例会見で釈明に追われ、苦し紛れにこううそぶいた。

「私が非常に心を痛めているのは、みなさんが取材に行かれてお店の方々が臨時休業しなければいけないとのこと。私から言うのも何ですけど(笑)、節度ある取材をお願いしたい」

 会見場に失笑が漏れる。冒頭こそ「(都民から)ご懸念を頂いていることは誠に不徳の致すところ」と陳謝したが、“トンデモ釈明”に終始したのである。

 舛添氏は「泰山会」など四つの政治団体の代表を務める(うち3団体はすでに解散)。2012年から14年までの政治資金収支報告書によれば、13年1月と14年1月、千葉県木更津市のホテルに「会議費」として計37万円を支出している。投宿先の「龍宮城スパホテル三日月」関係者によると、舛添氏は温水プールで子どもたちと遊んでいたといい、実際は家族旅行に政治資金を使ったのではないかと指摘されたのだ。

 ところが舛添氏は、13年は参院選の対応、14年は都知事選出馬の政治決断のために事務所関係者らと会議をしたと主張。政治活動だったと強弁する。そのうえで「家族と宿泊した部屋を利用して会議を行ったことは誤解を招いた」と、収支報告書を修正、削除して返金すると述べた。さらに「政治的機微に関わる」と言い張り、参加者の人数さえも明かさなかった。

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