お金を貯める有効な手段は…
お金を貯める有効な手段は…

 国民の老後の虎の子である年金。その年金の受給開始年齢を、一律ではなく、個人の選択で75歳まで遅らせる改革案を厚生労働省、自民党が検討中だ。開始を引き上げた場合、その期間に応じ、受給額は増える。だが、健康寿命が75歳とされるだけに、受給者にとって“お得”な制度改正とは言い難い。

「開始年齢をいずれ、一律に引き上げる下地作りではないか」(民主党議員)

 70~75歳まで開始年齢が上がった場合、60歳で定年した人はその間、どうやって生活すればいいのか。検証してみた。

 総務省の家計調査によると、高齢無職世帯(世帯主が60歳以上、持ち家あり)の毎月の消費支出は約20万円。このままのペースでいくと、受給開始が70歳になると20万円×12カ月×10年=2400万円。75歳では3600万円となる。

 毎月の支出を15万円に絞っても75歳まで2700万円が必要となる。

 千里の道も一歩から。できるだけ早いうちから「貯める」「殖やす」「支出を減らす」を徹底したい。

 ファイナンシャルプランナー(FP)の風呂内亜矢氏は何はともあれ、住居費、通信費、保険の3大固定費の見直しを勧める。

「収入にもよりますが、目安としては、住居費は手取りの3割ぐらいまで。通信費は家族が多くなるだけかさみますが5%、保険も5%が目安です」

 保険で貯めつつ節税する方法もある。

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