千株(15万6千円)でスパリゾートハワイアンズの無料入場券3枚がもらえる「常磐興産」や、総合不動産の「サムティ」は、200株(23万9200円)以上で、東京と大阪の自社ホテル無料宿泊券が1枚ずつもらえる。

「優待はなるべく『割引』よりも、『無料』のものを選ぶと、かなりの節約になります」(同)

 今年、新たに株主優待を始めた企業にも注目したい。

 機械や金属製品など、企業間取引を行う会社では、自社製品の代わりに、地元の特産品やクオカードなどの金券を充実させている。

 雨宮さんが、「10時と3時のお茶の時間にお薦め」というのは、創業50年の老舗「イハラケミカル工業」。

「今年から株主優待を始めた企業の一つ、農薬などを手がける『イハラケミカル工業』は、100株(16万8900円)以上の株主に、2千円相当の静岡の名産品を贈ります。今年は『まちこ』という新茶を贈ったそうです」(雨宮さん)

 地域の特産品が選べる銘柄はほかに、100株(22万6千円)で地元、長野の信州りんご3.5キロがもらえる電気計測器の「HIOKI」。

 化学機械メーカー「巴工業」は100株(15万6千円)で、おいしいと好評の、関連会社が取り扱うワイン1本がもらえる。

 その一方で、クオカードや図書カードなど金券を提供する優待が増えている。なかでもリース会社の株を薦めるのは、かすみちゃん。

「『リコーリース』は100株(37万6500円)で、3千円相当のクオカードがもらえます。1年以上持っていると4千円、3年以上で5千円になるので、長く持つほどお得です」(かすみちゃん)

 100株(27万3500円)で3千円相当の図書カードがもらえる「興銀リース」は、1年以上持ち続けると4千円にアップ。

 10万円未満で購入できる株なら、特選お菓子と食事券3枚がもらえる「アイ・ケイ・ケイ」(100株、5万7400円)や、540円の割引券が5枚もらえる「シダックス」(100株、5万2400円)がある。

 また、生活費を節約するためにはこんな株もある。

「伊藤園」は、100株以上で「お~いお茶」や「充実野菜」など1500円相当の自社製品がセットでもらえる。株価は2841円(11月27日現在)なので、優待を得るためには、28万4100円必要だが、購入代金を10万円ほど少ない金額に抑える方法がある。

「同じ銘柄でも議決権がない『優先株式』を選ぶと、割安に購入でき、普通株式と同じ優待がもらえます。今のところ、伊藤園しか上場していませんが、これから導入する企業も増えるかもしれないので、新設情報は随時チェックしましょう」(同)

週刊朝日 2015年12月11日号より抜粋