無謀といわれるも今では“美しい”ワインに 長野県東御のシャルドネ

週刊朝日
 フード&ワインジャーナリストの鹿取(かとり)みゆきさんが、日本ワインを紹介する。今回は、エッセイストの玉村豊男さんがオーナーのワイナリーが生んだ、長野県東御市の「ヴィラデスト ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2014(白)」。
 
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「飲めば、ブドウが育った風景が思い浮かぶようなワインを造りたい」

 ワイナリーの栽培醸造責任者の小西超(とおる)さんは、そんな思いを胸に抱いてワインを造る。ワイナリーは長野県東御市の標高850メートルの高台にある。正面には北アルプスが望め、眼下には上田盆地を見下ろせる。

 1992年に、シャルドネなどのブドウを植えた時、日本でもこれほどの高地でワイン用ブドウが栽培されたことはなかった。土地の農家は無謀だと口を揃えた。確かに冬の寒さは厳しく、樹に藁(わら)を巻いて越冬させても、年に2、3%は枯れた。それでもシャルドネは毎年、房を実らせ、ブドウは完熟した。120本だったシャルドネの樹は、今では4千本になっている。

 自社農園のシャルドネのみで造ったのが「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ」だ。口に含むと広がるナッツの香り。メロンのような果実味と涼やかな酸味が溶け合い、誰もがはっとする上品な味わいには、美しいという表現がふさわしい。

(監修・文/鹿取みゆき)

週刊朝日  2015年12月11日号

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