猛暑が続いてぐったりしたら温泉に行こう。泉質や温度を上手に組み合わせれば、暑さによる不調が吹き飛び、体と心がリセットされる。そんな名湯を、専門家に紹介してもらった。
<夏バテ・食欲不振>
夏バテは、夏の暑さや高い湿度による体力低下や、熱帯夜による睡眠不足、冷たいものの取りすぎなどが原因になって起こる。
「おすすめは単純温泉、ナトリウム塩化物泉(旧食塩泉。旧強食塩泉は除く)です。体が疲れているときは、強酸性の硫黄泉など刺激の強い泉質は避けたほうが無難でしょう」(日本温泉気候物理医学会の理事長で、『新版 温泉療法』[クルーズ刊]などの著書がある北海道大学大学院教育学研究院教授の大塚吉則さん)
具体的には、伊東温泉、夕日ケ浦温泉、定山渓温泉、男鹿温泉などがある。
湯の温度も大事だ。
「湯温が高いと交感神経が優位になり、リラックスできない。40度ぐらいのぬるめの湯で半身浴をするのがいいでしょう。露天風呂など周囲が木々に囲まれた緑豊かな環境なら、さらに疲れがとれます」(同)
温泉療法専門医で、国際医療福祉大学教授の前田眞治さんは体温よりも湯の温度が低い、低温泉や冷鉱泉をすすめる。
「夏バテのときは、まずは体にこもった熱を下げるといい。避暑地で32~33度の、自分の体温より少し低い単純温泉がよいでしょう。入ったときは冷たいと感じますが、湯から出た後は体の芯がポカポカしてきます。血の巡りが良くなって、体の緊張やコリが取れます」
免疫力を上げたいなら、硫黄泉でもよいという。月岡温泉、下部温泉、寒の地獄温泉などが代表的だ。