もう一つの流れは、歯科医療のデジタル化です。14年4月に、歯科用CAD/CAMで作るハイブリッドレジンクラウンが保険でできるようになりました。対象は小臼歯だけですが、これは画期的なことです。

 歯科技工士が模型上で手作りする硬質レジンクラウンは、以前から保険でできました。しかし、強度が不十分だったので、歯科医師が勧めませんでした。

 CAD/CAMクラウンは工場で管理して生産されたブロックから削り出すので、品質自体がよく、しかも均質です。保険の適用を大臼歯にも広げるよう、働きかけているところです。

 一つ問題があるとすれば、接着についてよく理解していない歯科医師がいることです。単に接着材を使えばいいのではなく、その前に歯とクラウンの両方に下処理が必要です。ここで手を抜くと割れたり外れたりします。

 接着をよくわかっている歯科医師は、日本歯科保存学会と日本補綴歯科学会の専門医、日本接着歯学会の認定医が目安になります。リストは各学会のホームページで見られます。

週刊朝日  2015年7月24日号